「有田焼瑠璃百段豆皿」

独自の紋様を用いて有田焼の可能性を探った野老朝雄さん=西松浦郡有田町の県立九州陶磁文化館

 東京五輪・パラリンピックのエンブレムを手掛けた美術家・野老(ところ)朝雄さんが、新たな有田焼を考案した「有田×野老」展が、西松浦郡有田町の県立九州陶磁文化館で開かれている。「つながる」をキーワードに独自の紋様を生み出してきた野老さんが、青の色彩を主題に有田焼の可能性を探った。

 野老さん考案の有田焼を展示するゾーン「有田×野老」と、野老さんの視点から古陶磁や焼き物作りの道具などを集めたゾーン「野老×九陶」の2部構成。

 このうち、野老さんの作品「有田焼瑠璃百段階卍」シリーズは、青色の色調を100段階刻みでわずかずつ変化させたブロックを集積し、独特のグラデーションを醸し出す。

 同じコンセプトによる豆皿を一列に配置した「有田焼瑠璃百段階豆皿」や、8面体で形作った「八面小盃」など斬新な作品が並ぶ。野老さんは「未来に残る作品を生み出すという勢いで制作した。ただ展示して終わりではなく、ここから何かが始まるきっかけにしたい」と話す。

 野老さんは1969年、東京生まれ。美術、建築、デザインの境界領域で活動しており、単純な幾何学原理に基づいて再現が可能な紋様の制作を手掛けている。東京大学工学部非常勤講師や東京造形大学客員教授も務めている。

 ▷「有田×野老」展は11月24日まで、西松浦郡有田町の県立九州陶磁文化館で。観覧料は600円、大学生300円、高校生以下無料。月曜休館。

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