アスパラを自動で収穫するロボットを紹介するinahoの菱木豊代表=鹿島市

 佐賀県太良町で行われた自動野菜収穫ロボットの実演=16日午後

 鹿島市に進出した自動野菜収穫ロボットを手掛けるベンチャー企業inaho(イナホ、本社・神奈川県)は、アスパラガスを収穫するロボットを貸し出す事業を始めた。ロボットで収穫作業の負担を軽減しつつ、利益を上げる「稼げる農業の未来」を提案している。高齢化や農地の維持など地方農業が抱える課題の解決を目指す。

 イナホは今年1月、鹿島市と進出協定を結び、オフィスを開設した。ロボットは藤津郡太良町のアスパラ農家で試験を重ね、生産者の声を反映させながら改良した。成長速度にばらつきがある野菜は、機械による収穫は難しかったが、実用化したロボットは25センチ以上のアスパラを識別、適期で収穫する。

 ロボットは全長約1メートル、高さ55センチ、幅39センチで走行用ベルトで自走する。アームで1本ずつつかみ取って、かごに運ぶ。収穫のペースは12秒に1本。1回の充電で連続で約10時間稼働する。夜間に動かせば、収穫時間が増える。

 16日、導入した太良町の安東浩太郎さん(40)の畑で実演があった。安東さんは小回りが利く点や商品を優しくかごに置く動きを「農家目線に立った運用」と評価。「作業の5割を収穫に充てていた。その分の時間で味を研究する努力ができる」と期待した。

 ロボットは無料で貸し出し、収穫高の15%を農家が支払う仕組み。メンテナンスに対応するため、鹿島市の支店から車で30分圏を対象に、キュウリやイチゴなどでも自動収穫ロボットの開発を進めている。量産には至っていないが、対応できる作物を増やしながらエリア拡大を図っていく。

 菱木豊代表は「人手不足で悩みを抱える農家の力になれれば。魅力ある田舎で働きたいという人もいるため、UIターンのニーズにも応えたい」と話した。

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