納得のいかない器を二度焼きするため、窯に作品を詰める岡本作礼さん=唐津市厳木町の作礼窯

二彩唐津花火皿

唐津黒高麗徳利

 古唐津に対する尊敬の念が、作品に品格を与えている。唐津焼作家の岡本作礼さん(61)=唐津市厳木町、作礼窯=の作品展が、福岡市で開かれている。美意識を見込みから高台の裏まで張り巡らせた酒器や花器は、豊かな味わいがある。

 古唐津の名品には、左右が非対称であったり、表面に石のかけらが混ざり込んだりしているものがある。「さりげない作為が、器の景色に奥深さを与えている」と岡本さんは指摘し、自身の作品にも取り入れている。

 出品作のうち、「唐津黒高麗徳利」は、高台の裏まで釉薬を流した。焼き上げる際に砂と反応し、泡立つような表情を見せる。酒を注ごうと傾けるとちらっと見える程度の、いわば“隠し味”で「使いながら気づいてもらえたら」と話す。

 2種類の釉薬を用いた「二彩唐津花火皿」は、技法の確立までに3年を要した。皿の縁に塗ったあめ色の釉薬が炎で熱せられ、皿の傾斜に沿って中央に溶け出す。その流れが花火のような文様を生む。皿全体にかけた黄唐津の釉薬とともにコントラストを醸し出す。

 作品展の当日ぎりぎりまで窯をたき、納得のいく器を求めた。「空間の雰囲気を変えてしまうような器を作りたい」。会場には約120点が並んでいる。

 ▼「唐津 岡本作礼」展は福岡市の岩田屋三越美術画廊=092(724)3111=で21日まで。期間中は岡本さんが在廊する。

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