佐賀県内で3人が亡くなった8月末の豪雨で、県が犠牲者の氏名を公表していないことを巡り、山口祥義知事は16日の定例記者会見で、犠牲者が特定されている場合は県による氏名公表を控え、住所などの情報を報道機関に伝えた上で「(氏名を報道するかは)報道機関が家族に確認してもらうやり方もありだと思う」との認識を示した。

 大規模災害時に効率的な人命救助を目的に、照合作業を行う場合は公益性があるとし「逡巡(しゅんじゅん)なく実名をリストアップし、皆さん(報道機関)とで確認したい」と述べた。

 一方、昨年の西日本豪雨や今年8月末の豪雨では犠牲者の特定ができており「遺族や家族の思いがわれわれに強く伝わってくる。やみくもに公開することが本当に公益性があるのか」と行政側が氏名公表に踏み出しにくい理由を説明した。

 その上で、報道で被害者の状況や被災の背景が明らかになるのは「とても公益性がある」とし、県が詳しい住所を伝え、報道機関が遺族に氏名公表の可否を確認する手順が適切ではないかという考えを示した。

 8月末の豪雨では佐賀、福岡両県で4人が犠牲になったが、福岡県が氏名を明らかにしたのに対し、佐賀県は当初、1人を実年齢、他の2人は50代などの表現を用いて、性別と遺体の発見場所を公表した。報道機関からの要請で、9月4日に年齢と詳しい住所を明らかにしたが、氏名は公表していない。

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