佐賀県の肝がん死亡率が、人口10万人当たりの2018年速報値で31・4となり、20年ぶりに全国ワーストを脱却したことが厚生労働省の人口動態調査で分かった。全国平均は20・9で、佐賀県は依然としてワースト水準が続いているものの、県は医療機関などとの連携強化や肝炎ウイルス検査の個人費用の県負担など、肝疾患対策が効果を上げつつあるとみている。

 佐賀県は1999年から19年連続で全国ワーストで、2004年の49・8がピークだった。18年は31・4で前年より4・0ポイント改善し、和歌山県の32・0を下回ってワースト2位になった。10年前の08年と比べると、14・5ポイント改善している。

 県内では肝がん患者の多くをC型、B型肝炎ウイルスキャリアが占めてきた。自覚症状がないため、検査を受けない人や、陽性であっても放置し肝硬変や肝がんに進行するケースが多いことが課題になってきた。

 県は死亡率低下を目指し、12年に佐賀大学医学部と協定を結び、肝疾患センターを設置。ここを拠点に別の医療機関やかかりつけ医とも連携し、それぞれに在籍する看護師や保健師らを肝炎医療コーディネーターとして養成、ウイルス検査を勧めて患者を掘り起こして治療を働き掛けてきた。

 15年10月からは定期検査の費用助成に必要な申請書類を簡素化した。18年度からは県内の企業が多く加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)の被保険者の検査で、個人負担を無料にする事業にも取り組んできた。関係者は、こうした複合的な対策がワースト脱却につながったとみている。

 県健康増進課は課題として「ウイルス検査で陽性だった人の精密検査の受診率が依然として低い」と話す。18年度の受診率も49・1%にとどまっており、23年度までの「第2次県肝疾患対策推進計画」で受診率を90%以上にすることを目指し、取り組みや啓発を強めている。

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