「世間のイメージだけで物事を捉えないで」と話す藻谷浩介さん=伊万里市の伊万里商工会館

 地域エコノミストの藻谷浩介さんが10日、伊万里市の伊万里商工会館で講演し、日本経済と社会の展望を語った。地方については「世間では人口減少と高齢化で衰退すると言われているが、実は若返りする大きなチャンスが訪れている」と述べた。

 藻谷さんは「日本人の多くが、世間で言われていることを自分の考えと思い込んでいる」と指摘。「国際競争に負けて日本経済はジリ貧」「消費税は景気を悪くする」などの通説に公の統計データを出して反論し、自分で調べて考えることの大切さを訴えた。

 「若者の流れ込む大都市は元気で、流出が続く地方は衰退する」という認識にも疑問を呈した。

 統計によると、首都圏や福岡市は最近5年間で人口は増えているが、15~64歳の生産年齢人口に限れば、首都圏は減少し、福岡市は微増にとどまっている。この数字を示し、「高齢者が激増しており、福祉施設や病院が足りず介護崩壊の危機に直面している」と解説した。

 一方、伊万里市などの地方は今後、人口減少は続くものの、高齢者人口も減少局面に入り、医療福祉への負担が減っていくと説明。藻谷さんは「減った分を子育て支援に回せば、子どもは増え、若返りを図ることができる。成長はしないけど、全く衰えないという状況を続けられる」と結んだ。

 講演会は伊万里駅通商店街や伊万里商工会議所などが主催し、約50人が聴講した。

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