飾り付け作業が進む高さ10メートルの巨大山笠(左端)。奥に並ぶ山笠2台は約6・7メートルある=唐津市相知町の熊野神社近く

山笠の飾りを修復する地域住民(提供写真)

 佐賀県唐津市相知町の熊野神社の秋季例大祭「相知くんち」に向け、10メートルの巨大山笠の準備が進んでいる。巡行路の一部の電柱がかさ上げされたことにより、約100年ぶりに復活する。19、20の両日の巡行に向け、地域は高揚感と緊張感に包まれている。

 「高すぎる」「もっと斜めにして」。同神社近くで6日、地域住民約40人が山笠に人形などを据え付けていた。6・7メートルある従来の2台の横に、さらに高い10メートルの山笠が並び、高所作業車で飾り付けた。祭りを取り仕切る総取締の鶴田直さん(60)は「動いたら迫力があるやろうね」と山笠を見上げた。

 相知くんちは、唐津藩の大名行列を模した「羽熊(はぐま)行列」が有名で、山笠2台を先導する。相知宿通りに設けた「御旅所(おたびしょ)」と「浜白御旅所」の間約1・6キロを巡行する。

 相知市民センターや祭り関係者によると、大正13(1924)年まで、10メートルを超す山笠が練り歩いていた。しかし電柱の普及に伴い巡行路にも電線が張られ、高さは現在の約6・7メートルになった。

 巨大山笠の復活は地元の悲願だった。地域住民は電柱かさ上げの要望書を2005年の市町村合併以降、市に3回も提出。市は今年、巡行路の一部の神社前から市民センターまでの200メートルで、電柱2本を継ぎ足し、3本を立て替え、3本を新設した。1~2メートル高くなり、10メートルの山笠が通れるようになった。当日は従来の2台に加え、巨大山笠がその区間を練り歩く。

 楽しみにしている人は多く、地元大工の保利誠幸さん(76)もその一人。使われる台車は「いつか復活したときのために」と保利さんが2002年に製作していた。「生きとるうちに見られるとは。造ったかいがあった」と目を細める。

 祭りは18日午後7時から始まり、3日間ある。巨大山笠は、19日は午前10時40分と午後1時25分、同6時5分。20日は午前10時と午後0時50分、同7時15分に動き出す。

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