神埼市千代田町で昨年2月、陸上自衛隊目達原駐屯地(神埼郡吉野ヶ里町)所属のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落した事故で、防衛省は27日、主回転翼を固定する金属製ボルトの破断原因に関する調査結果と再発防止策を、佐賀県と関係3市町に伝えた。山口祥義知事は「合理的な説明」と評価しつつ、「地域住民が激しく衝撃を受けたことに思いを寄せ、再発防止を徹底してほしい」と訴えた。

 山本朋広防衛副大臣が県庁、神埼市、吉野ヶ里町、三養基郡上峰町を訪れ「自衛隊は県民の生命と財産を守るのが役目だが、逆のことをしてしまい、おわび申し上げる」などと謝罪し、調査結果を説明した。事故後に運用を停止している同型機の飛行再開は「再発防止策を徹底した結果、再開の運びとなれば改めて説明にあがる」と述べた。時期については未定とした。

 調査結果では、主回転翼を回転軸に固定するメインローターヘッドの内部は金属製ボルトの穴にピンが差し込まれ、通常は一体となって回転するが、腐食防止剤が長期の保管中に劣化してピンが固着し、ボルトとの間で摩擦が生じて破断に至ったとした。ヘリ搭載前に何らかの原因でボルトに亀裂が入っていたとの見方も否定できないとした。

 山本副大臣は点検と保管の要領を見直すとした再発防止策を示し、被害者の心のケアや損害賠償、地元との迅速な連絡体制の構築にも取り組むとした。

 同型機の飛行再開について山口知事は記者団に「地域の皆さんがどう考えるのかを大事にしなければならない」と述べた。事故現場の松本茂幸神埼市長は「国を守るためならば、飛んではいけないと言えない」と容認する姿勢を見せた。目達原駐屯地がある吉野ヶ里町の伊東健吾町長は「専門知識はないので粛々と受け止めるだけ」、上峰町の武広勇平町長は「住民の心配が払ふっ拭しょくされることが前提」とした。

 ヘリは昨年2月5日午後4時43分、定期整備後の試験飛行中に墜落し、乗組員2人が死亡、現場の住宅が全焼し、家にいた女児がけがをした。

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