抗告棄却を受けて司法判断を批判する訴訟関係者=福岡市の福岡高裁前

 九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)を巡り、運転差し止めを認めなかった佐賀地裁の仮処分決定を不服として佐賀など九州・山口の住民らが申し立てた即時抗告審で、福岡高裁は25日、「具体的な危険が存在するとは認められない」として申し立てを棄却する決定をした。

 原審に続き、阿蘇カルデラなど火山の噴火リスクやテロ対策、重大事故対策などが争点となっていた。

 山之内紀行裁判長は決定理由で、地裁決定を踏襲する形で「新規制基準は合理的なものと認められる」と指摘。巨大噴火については「発生可能性が抽象的なものにとどまる限り、法規制や防災対策で想定しなくても社会通念上容認される」とし、「原子炉施設の運用期間中に巨大噴火が生じる可能性が相応の根拠をもって示されておらず、施設が安全性に欠けるとは言えない」として住民側の主張を退けた。

 テロ対策を巡って住民側は、新規制基準で設置が義務づけられたテロ対策施設「特定重大事故等対処施設」(特重施設)が3、4号機に設置されておらず、猶予期限に完成が間に合わないとして問題視していた。決定は「現時点において、原子炉施設が社会通念上求められる安全性を欠くとは言えない」と結論づけた。

 申し立てたのは、玄海原発の操業停止を求める訴訟を起こしている「原発なくそう!九州玄海訴訟」(長谷川照原告団長)に加わる住民ら71人。別の住民らが同原発の運転差し止めを求めた仮処分の即時抗告審も今年7月、福岡高裁が申し立てを棄却。この時も山之内裁判長が担当した。

 玄海3、4号機は18年3~6月に再稼働し、4号機は今年8月から定期検査に入っている。

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