肥育素牛の佐賀県内での自給率を高めようと、JAからつは、繁殖雌牛の種付けから出産までを農家に代わって実施する「ブリーディングステーション」を唐津地域に整備する構想を固めた。国内最大規模の繁殖雌牛約250頭を飼養する計画で、農家負担の軽減と「佐賀生まれ、佐賀育ちの佐賀牛」の生産拡大につなげる。

 19日の県議会一般質問で、井上常憲議員(自民党)が繁殖農家への支援策を尋ねた。

 県畜産課によると、ブリーディングステーションはJAからつが設置、運営する。施設の自前の繁殖雌牛と、農家から預かる雌牛は計250頭を想定し、年間160頭の肥育素牛を生産する体制を整える。農家から預かった雌牛に不妊治療やリハビリを施すほか、優秀な血統の妊娠牛や受精卵を農家に供給する。

 情報通信技術を用いて種付けに必要な雌牛の発情期の把握や、出産時期の予測の実証実験なども行う。施設では就農希望者を受け入れて繁殖管理の実践的な研修をするほか、就農に向けた支援もする。JAからつや県、各市町などがプロジェクトチームを立ち上げて整備内容を検討しているが、具体的な開所時期や事業費は未定だという。

 畜産課によると、肥育素牛は宮崎県や鹿児島県などの繁殖の「本場」に頼っているのが現状で、2018年度の県内自給率は28・6%にとどまっている。担当者は「宮崎や鹿児島もブランド牛があり、優秀な子牛は囲い込まれる。県内産の肥育素牛数の増加は、佐賀牛の品質向上にもつながる」と狙いを話す。

 県は「『食』と『農』の振興計画2019」で、28年度までに肥育素牛の県内自給率を33・3%まで引き上げる目標を掲げている。池田宏昭農林水産部長は「肥育素牛の日本一の生産拠点になるように進めたい」とする。

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