支援者の研修事業と並行して実施されるサロン。初回は7月に開かれた=武雄市役所

 交通事故や脳疾患などの後遺症で、コミュニケーションが取りにくい失語症の人たちの意思疎通を助けるサポーターを養成する研修事業が10月から始まる。佐賀県から事業を委託される県言語聴覚士協会(緒方和則会長)は「失語症者の高齢化に伴い、介護などの福祉サービスを受けづらい状況になっている」と話し、支援者の養成で家族の負担軽減や地域での生活支援につなげる。研修は1年を通して実施され、支援者の派遣事業は2020年度以降にスタートさせる。

 研修は、障害者総合支援法の見直しの一環で、失語症の人たちへの地域での福祉サービスの支援手段が確立されていないため、厚生労働省と日本言語聴覚士協会が中心になって事業内容をまとめた。都道府県が実施主体で、18年度から東京や福岡など11都府県が取り組みを始めている。

 必修科目として身体介助やコミュニケーション支援技法など基礎的な講習と実習を来年3月まで全9回、約40時間を予定している。さらに4月から9月まで、専門性を高めた選択科目の実施が計画されている。

 県言語聴覚士協会によると、認知症などを除く後天性の言語障害がある人たちの数は全国では約30~50万人で、県内では約1200~3千人に上るという。

 協会の峰松麻美副会長は「地域包括ケアの整備が進むにつれ、在宅で暮らすケースが多くなった失語症者を支えるには、県内で約240人の言語聴覚士では無理がある」と、研修への参加を呼び掛けている。

 研修の定員は40人で、受講料は2千円。申し込みは30日までで、問い合わせは県言語聴覚士会、電話080(9109)3122。事業では研修に加え、失語症の人たちと家族、言語聴覚士を交えたサロンも実施する。

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