東京五輪の開幕まで10カ月あまり。日本代表の選考レースも本格化し、続々と代表選手が内定している。佐賀県関係ではこれまでに、セーリング男子470級の岡田奎樹(けいじゅ)(23)=唐津西高出身=が代表を射止めた。他の有力選手の代表入りにも期待が膨らむ。

 県関係第1号として代表に決まった岡田は2人乗りの艇種でスキッパー(舵取り役)を担い、波と風の状況を素早く察知する力に定評がある。昨年の福井国体には佐賀県代表として臨み、見事に優勝。今年の茨城国体にも出場する予定で活躍が楽しみだ。

 レスリング・グレコローマン87キロ級の全日本王者、角雅人(25)=鳥栖工高出身=は、開催中の世界選手権でメダルを取れば代表となったが、惜しくも結果が出なかった。ただ、代表入りのチャンスはまだある。12月の全日本選手権で優勝すれば、アジア予選と世界予選への道が開ける。佐賀ではジュニア世代からお家芸となりつつあるレスリング。代表を勝ち取れば、子どもたちに大きな刺激を与えるだろう。

 自転車ケイリンの小林優香(25)=鳥栖市出身=にも期待がかかる。昨年12月のワールドカップ(W杯)で日本女子初の表彰台に立ち、年が明けた1月のアジア選手権(インドネシア)で優勝。今月行われた全日本選手権も制した。これからの世界選手権、W杯を戦い抜いて、来年5月に発表される代表選手に名を連ねてほしい。

 テコンドーの濱田真由(25)=高志館高出身=は16年リオデジャネイロ五輪に続く代表を目指している。今年2月の全日本選手権は62キロ級で貫禄の優勝。長年悩まされてきた股関節の手術を受け、万全の状態で来年1月の最終選考会に挑む。兄の康弘(27)、弟の一誓(24)=ともに佐賀市=も代表の座を狙っており、きょうだい3人で五輪出場となれば、大いに盛り上がるはずだ。

 バドミントンは男女シングルス、ダブルスと混合ダブルスの5種目があり、それぞれ世界ランク上位2人(組)が東京五輪に出場できる。男子ダブルスの嘉村健士(29)=唐津一中出身=は9月10日現在の世界ランクで日本人最上位の4位。有力な代表候補であるのは間違いない。

 来年4月の日本選手権の一発勝負で代表が決まる競泳では、吉田啓祐(19)=唐津五中出身=の躍進に注目だ。今年4月の日本選手権では400メートル自由形で初優勝、同800メートルでも2位に入った。さらに鍛錬を重ね、五輪切符を手に入れてほしい。

 団体競技には有力選手がそろう。ラグビー7人制の1次候補メンバーには男子の副島亀里ララボウラティアナラ(36)=佐賀市=と、女子の堤ほの花(22)=佐賀工高出身=が選ばれている。ソフトボールは藤田倭(やまと)(28)=佐賀女子高出身=が投打で代表を引っ張る。バレーボール女子の久光製薬はもちろん、サッカーJ1・サガン鳥栖、ハンドボール男子のトヨタ紡織九州からの代表入りも可能性が高い。

 これまでも佐賀県から多くの五輪代表選手が育ったが、一つの大会でこれだけの有望選手がそろったことはなかった。代表レースはここからが正念場。一人でも多くの選手に代表の座をつかんでもらい、県民を元気づける活躍を期待したい。(市原康史)

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