避難所でボランティアによるマッサージを受ける男性。血圧が高くなっているという=16日夜、杵島郡大町町の総合福祉保健センター

 佐賀県などを襲った記録的な豪雨から18日で3週間。県内では17日午前時点で、武雄市と杵島郡大町町で41世帯83人が避難生活を続ける。減少傾向にあるものの、自宅の復旧や自宅の代りとなる住まい確保のめどが立たず、先を見通せない住民は少なくない。避難所では、運営する市町や支援団体が体調管理や衛生対策に気を配るなどして支えており、住民は気丈に前を向こうとしている。

 「脱水にならんように、水分をこまめにとってくださいね」。16日夜、杵島郡大町町の総合福祉保健センター美郷では日本認知症予防アロマ協会が支援に入り、マッサージを施術した。下潟地区の男性(78)は「昼間は自宅の片付けがあり、疲れがたまっていた。共同生活で気も張っていたみたいだ」と感謝した。

 町などによると、避難者の中には、避難生活の長期化による疲れや先の見えない不安で不眠を訴える声も聞かれるという。県看護協会から派遣された看護師が細やかに検温や血圧チェックをしているほか、手指の消毒の呼び掛け、1日に3回トイレ清掃をするなど衛生対策も徹底する。

 豪雨に見舞われた8月28日から朝日小体育館に避難する梁井勇次さん(66)は、自宅が床上約60センチまで漬かった。「自宅に戻れるまであと1カ月はかかるだろう。初めての経験で、家に帰れないストレスが少しある」と話す。

 同じく朝日小体育館に身を寄せる男性(77)は「年金暮らしで自宅を再建するのは無理」と、公営住宅を申し込んでいるが入居には迷いがある。「隣保班の人たちとは親しくさせてもらっている。新しい場所で一から人間関係を築くのはきつい」と地元を離れることにためらいもある。

 仕事を続けながら避難所生活を送る住民もいる。8月31日から大町町公民館に避難している本村悦子さん(67)は「昼から介護の仕事に出かけて、夜に避難所に戻る生活。自宅は炊事場も使えなくなっているから、ご飯もお風呂もあって本当に助かる」と話す。一時は自宅に住むことをあきらめたが、「壊すのにもかなりの費用がかかると聞いて修理することにした。先は見えんけど、空元気でもいいから前向きになろうと思う」と自分に言い聞かせるように語った。

 避難所は現在、大町町2カ所、武雄市が自主避難所も含め3カ所で、避難者の動向次第でさらに集約される見通し。「9月いっぱいで閉鎖という話を聞く」。公営住宅を申し込んでいるという男性は、見通せない今後に不安もにじませた。

 

 佐賀豪雨の被害状況

死者         3人

意識不明       1人

避難者       83人

全壊         5棟

半壊・一部損壊    7棟

床上・床下浸水 4539棟

※9月17日現在、佐賀県まとめ

このエントリーをはてなブックマークに追加