諫早湾干拓事業を巡り、現地を訪問する考えを示した江藤農相=東京・霞が関の農水省

 江藤拓農林水産相は17日の閣議後会見で、国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防開門調査を巡り相反する司法判断が示されていることに関し、週内にも現地を訪問し、佐賀県の漁業者らと面会したいとの意向を明らかにした。和解の道筋が見えないことには「申し訳なく思う」と述べ、江藤氏自身が複数回、現地を訪ね、漁業者にも農水省を訪ねてもらう形で意見交換しながら和解を探る考えも示した。

 排水門の開門を命じる確定判決で開門の義務を負った国が、強制しないよう求めた請求異議訴訟の上告審判決で、最高裁は13日、確定判決を事実上無効化した二審判決を破棄し、審理を福岡高裁に差し戻した。

 判決について江藤氏は「相反する司法判断が継続する状況を重く受け止めている」と述べ、「だからこそできるだけ早く現地を訪問して、厳しいご意見でもしっかり受け止めたい。胸襟を開いて話し、何とか和解の道を開いていきたい」とした。訪問日程は固まっていないとしつつ「できれば今週中というのが私の希望」と述べた。

 国と漁業者はともに和解を望んでいるものの、開門しないことを前提にした基金案による和解を目指す国と、開門を求める漁業者側には大きな隔たりがある。

 江藤氏は「こうすれば解決するという知恵は正直ない。もどかしくもあり、申し訳なくも思う」とした。その上で「できれば(漁業者に)農林水産省にもお越しいただきたいし、私も複数回お訪ねしたい。対話の回数を増やすことが解決の糸口になればと思っている」と述べた。

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