「日本で一番危ない県に住んでいるのはみなさんですよ。自覚ありますか」。じっとこちらを見つめる講師に会場は静まりかえった。運転免許更新の講習会でのことである。佐賀県は交通事故の発生率で全国ワーストレベルが何年も続く◆今年の件数をみても、8月末で3323件と3千件を超えた。鳥取県は515件。なんと6倍である。しかも佐賀県民が県外で事故を起こす割合は全国で2番目に高いという。信号守らんでも、車間詰めても、合図出さんでも「よかろうもん」。身勝手な運転をよその県でもやっていると思うと恥ずかしい◆情けないのは佐賀県民が「譲り合い」の精神に欠けていると指摘されることだ。人が横断歩道を渡ろうとしているのに交差点に進入する。車間距離を取っているのに割り込む。佐賀での事故の多くは「追突」。ゆとり、余裕がない◆スマホを使用しながらの運転も目立つ。政府は先日、この「ながら運転」の厳罰化を決めた。反則金は3倍、普通車で1万8千円となるが、「自分だけはよかさい」という意識がある限り、事故はなくならない◆21日から秋の全国交通安全運動。高校1年の娘を交通事故で亡くした父親が県内で講演した時の言葉を思い出したい。「遺族の中には被害者の後を追う人もいる。人が人の命を奪わないような社会にしてほしい」(丸)

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