マッカーサーの祖先は日本人。こんなうわさが広まったことがある。敗戦後、GHQ(連合国軍総司令部)による占領政策が始まった翌年の昭和21年。「祖母が日本人」「日本女性のめかけの子」…荒唐無稽な話が、まことしやかに語られた◆戦時中「鬼畜」と教え込まれた米兵は友好的で、民主化政策を推し進め、食糧支援もしてくれる。占領下で恐ろしい報復を受けるとおびえていた日本人にとって、最高司令官が日本に係累があるとでも考えなければ、その矛盾を解決できなかった(松田美佐『うわさとは何か』)。うわさが広まるには理由がある◆英北部スコットランドのネス湖で目撃情報が相次いだ怪獣「ネッシー」は、実は巨大ウナギだった。湖中に残る生物由来のDNAを分析した国際科学者チームがこんな仮説を発表して話題になっている◆ネッシーを有名にしたのは、後に捏造(ねつぞう)と判明した、水面から長い首を出した恐竜のような写真だろう。こうした巨大怪獣の目撃は映画「キングコング」が公開された1933年以降に増えたという。無粋な言い方だが、人の心が「未確認生物」を生んだのかもしれない◆うわさは人の心を映す。県内を襲った大雨による風評被害も懸念される。観光はもちろん、農漁業も元気だと発信し続けたい。うわさをぬぐい去るのもまた、人の心である。(桑)

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