しだれ桜(P50号、左)などを描いた日本画展を開いている中野澄子さん=佐賀市本庄町の高伝寺前村岡屋ギャラリー

 繊細な筆致と、味わい深い色彩でとらえた花々がギャラリーで咲き誇る。佐賀美術協会顧問会員の日本画家・中野澄子さん(78)=西松浦郡有田町=の個展は、長年描き続ける桜や身近な草花を中心に、水彩画と併せ約40点を展示。喜寿を迎えたベテランの、花へのいとおしさが伝わる。

 自宅にほど近い長崎県波佐見町の桜がモチーフの「しだれ桜」(P50号)は淡いピンクのかれんな花が画面いっぱいに広がり、生命力にあふれている。画面の下部に赤みを入れることでつややかさを出した。

 唐津市浜玉町にある梅を描いた「枝垂梅」(P40号)も細やかに描いた幾つもの花が競うように咲き、枝ぶりも含めた濃淡で巧みに奥行きを出している。

 「彼岸花」や「我が家に咲いたぼたんの花」(いずれもSM)など大好きな赤をテーマとした作品は、花の存在感を際立たせるため、背景を抑えめな色調でまとめた。清楚(せいそ)な白の花びらと葉の緑のコントラストが美しい「芙蓉」(F4号)、たわわに実った「南高梅」(F8号)などモチーフは多彩だ。

 中野さんは有田工高図案科卒業後、岩尾磁器のデザイン室で壁画のデザインなどを担当。有田町出身の日本画家・川浪養治(1898~1985年)らに師事し、佐賀美術協会展で美協賞、県展で知事賞などの受賞歴があり、地元で日本画も教えている。

 中野さんは「色合いに深みを出すための重ね塗り、遠近感にこだわって創作している。大好きな花々をずっと描いていきたい」と意欲を見せる。

 ▼佐賀市本庄町の高伝寺前村岡屋ギャラリー=電話0952(24)5556=で15日まで。

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