諫早湾干拓潮受け堤防。手前が有明海

 国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決に従わない国が、開門を強制しないよう求めた請求異議訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は13日、上告審判決を言い渡す。国が勝訴して確定判決を事実上無効にした二審福岡高裁判決を維持すれば、開門の是非を巡る一連の訴訟で「開門しない」とする司法判断に統一される可能性がある。 

 確定判決の勝訴原告で開門を求める諫早湾周辺の漁業者が上告していて、上告審では二審の結論を変更する際に必要な手続きの弁論を開いている。上告審判決は二審判決を破棄して審理を福岡高裁に差し戻す公算もあるが、上告を棄却して漁業者側の敗訴が確定することも想定される。

 一連の訴訟で開門命令の福岡高裁確定判決と、干拓地の営農者らの求めによる開門差し止めの長崎地裁確定判決が並立し、国は相反する義務を負っている。請求異議は強制執行を免れるための手続きで、2014年1月に国が提訴した。同年12月の一審佐賀地裁判決で国は敗訴したが、18年7月の二審判決は一転して国の主張を認め、開門命令の確定判決は事実上無効となった。

 最高裁第2小法廷は今年6月、漁業者側が上告していた開門命令の確定判決とは別の開門請求訴訟など2件の訴訟をいずれも退ける決定をしていて、開門を認めない判決が最高裁で初めて確定した。国は開門せずに漁業振興の基金創設によって全体の問題解決を図る方針を示している。 

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