真っ黒な油が流れ込んだ民家の敷地内=杵島郡大町町(提供写真)

 内閣府は11日、8月末の記録的豪雨で鉄工所から流出した油で住宅被害を受けた佐賀県杵島郡大町町に対し、住宅再建を公費で支援する法律を特例的に運用すると通知した。被害認定の基準に油被害を「加点」する。この対応により、通常では支援対象とならない浸水被害の住宅も対象になるケースが出てくる。一定以上の被害が認定されれば、再建方法に応じて最大300万円が支給される。

 これまで、被害認定について「被災者生活再建支援法」は、浸水が床上30センチ未満の住宅の場合、簡易な1次調査で支援対象から外していた。通達では、想定していなかった油被害の特殊性を考慮し、浸水30センチ未満でも詳細に被害状況を調べる2次調査から実施するとした。

 通知分は油被害の認定基準を明示しておらず、調査方法に疑問が生じた場合は「内閣府に相談を」とだけ記されている。内閣府の担当者は「油が住宅の部材に染みつき、除去が困難な場合」に支援対象となる「全壊」や「大規模半壊」と認定する可能性があるとしている。

 ただ、関係者によると、「文書は淡々とした書きぶりにとどまっているが、水面下では内閣府と地元の間でいくつか約束事があり、油被害にあった一帯の家屋はほとんどが『大規模半壊以上』の評価になる見通しだ」と明かした。

 また、内閣府は災害救助法に関しても油被害の特殊性に配慮し、弾力的に運用すると通達した。同法では応急仮設住宅の入居対象は「全壊」の被災者だが、油の被害で一定期間、日常生活を営むことが難しいケースも対象とする。

 同法が想定している家屋に入った土石や木を除去する際の費用と、住宅を修理する費用の支援にも油被害を対象に加えるとした。

 内閣府の通達について、県消防防災課は「県が要望した内容に対応してもらえた」と評価した。大町町は11日から、住宅の2次調査を始めた。大町町などによると、油被害は少なくとも町内の105棟で確認されている。

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