避難所から施設に戻り、スタッフに出迎えられる入居者=大町町のグループホームほほえみ荘

 記録的豪雨で、避難や入院を余儀なくされていた杵島郡大町町のグループホーム「ほほえみ荘」の入居者が9日、施設に戻った。「多くの支援があったから乗り越えられた」と施設関係者。11日間の避難生活を終え、日常を取り戻す一歩を踏み出した。

 8月末の豪雨で施設近くのボタ山の斜面が崩落、入居者16人は28日から町の総合福祉保健センターに避難していた。9日は、避難所に持ち込んでいたベッド8台と布団、電気ポットなどを自衛隊員とボランティアが施設に戻した。施設に帰った入居者15人は、スタッフに出迎えられ「ただいま」と笑顔を見せた。

 避難による環境変化で、認知症がある入居者の中には体調を崩したり、徘徊はいかいの頻度が上がったりした人も出た。スタッフを含め疲労がたまっていったが、日本認知症グループホーム協会佐賀県支部などから人員派遣を受けてなんとか乗り切ったという。峰松浩純施設長(36)は「最初の3日間は寝る時間もなかった。人手が増えたのは本当にありがたかった」と振り返る。

 ただ、日常に戻ったわけではない。入居者のうち1人は10日まで入院しなければならず、他の入居者も避難所に慣れ始めたところで、また環境の変化となる。峰松さんは「今日が第一歩。これからも精神的なケアをしていかないといけない」と語った。

 施設は今後、被災経験を踏まえた災害マニュアルを策定し、他の施設と共有する考え。施設関係者の杉本健さん(44)は「支援への恩返しとして、今回の学びを伝えていきたい」と話した。

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