いまも多くの人を魅了するアニメ映画「風の谷のナウシカ」。この夏、原作の漫画全7巻を読んだ。人と自然の歩むべき道を見つめる主人公の少女ナウシカ。映画ではピアノの澄んだ調べが、ナウシカの姿と重なり、心を穏やかにさせてくれる◆25年も前に完結した漫画を読んだのは、今年12月に歌舞伎になることと、スタジオジブリの30年を振り返る展覧会で「縄文」というキーワードに触れたからだ。「未来のためにできること」と題して「縄文人が1万年続いた理由は自然に対して謙虚であったからでした」とあった◆縄文の遺跡といえば、国史跡になった佐賀市の東名(ひがしみょう)遺跡がある。8千年前の遺跡でドングリなどを入れた編みかご、貝殻で作ったアクセサリーが出土。遺物の多くが国内最古級である。「東名縄文人」は野山の長い距離を走り回れるよう足の筋肉が発達していたといい、自然と共生する姿が目に浮かぶ◆その東名遺跡は現在、保存活用へ検討が進められている。遺跡の隣接地に展示施設を設ける計画もあり、縄文期の豊かさを感じることができる内容を目指すという◆「風の谷のナウシカ」に宮崎駿監督がメッセージとして託した縄文人の自然への謙虚さ。日本文化の起源を探る上で重要な遺跡とされる東名遺跡も、そんな自然への畏敬の念が感じ取れる整備になるといい。(丸)

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