小雨が降る中、長い行列ができていた。武雄市北方町の災害ボランティアセンターでの光景だ。県内外から駆けつけたボランティアが受付の順番を待っていたのだろう。雨がっぱを着て、じっと並ぶ姿に胸を打たれた◆武雄市のJR高橋駅や大町町の大町駅周辺の住宅では総出で清掃作業に追われていた。武雄高校の生徒は「積極的に支援活動をしたい」と話していた。お年寄りにとって若者の言葉ほど心強く感じることはないだろう。ボランティアは先日の日曜だけで千人にも及んだ◆「ごみの集積場はこちらです」と書いた案内の紙を持ち、国道沿いに立つ人。コンビニの駐車場に並ぶ自衛隊の支援車両。住民に仮設の風呂の利用を呼び掛けるアナウンスも。「みんなが助け合う」。その意味を教えられた気がした◆記録的豪雨から1週間。復旧活動は一歩ずつ進んでいる。武雄温泉は通常通り営業しており、国道34号沿いの飲食店も営業再開へ懸命の作業を続けている。気になるのは天気だ。ふいに降り出す雨。厳しい残暑。住民の体調、熱中症が心配だ◆局地的な大雨を表す「集中豪雨」という言葉が全国に広がったのは、多くの犠牲者が出た1957(昭和32)年の諫早大水害。それから60年余。繰り返される災害だが、深まった助け合いの心を防災への教訓とともに記憶にとどめたい。(丸)

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