8月末の大雨災害の直後から、武雄市や杵島郡大町町で支援活動などを行った子ども支援の専門団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(本部・東京都)。同団体は2018年の西日本豪雨、16年の熊本地震など被災地で子どもに寄り添う支援活動を続ける。国内事業部の川上園子部長(51)に、緊急時の子どもの心のケアのあり方や、現地での活動を通じ感じたことについて聞いた。

 -現地を歩き、感じたことは。

 川上部長 床上浸水の被害があった場所に共通だが、学用品や日用品、特に「子どもたちが大切にしていたものが流されてしまったた」ということが起きている。子どもたちにとっては喪失感も大きい。これから「いつもと違うような発言や行動」が出てくる可能性もある。多くは災害に直面した人にみられる普通の反応だが、ご飯が食べられない、学校に行けないなど日常に支障を来すようになった場合は、専門家に相談してほしい。

 -特別警報発表当初から、会員制交流サイト(SNS)を通じ、子どもと関わる大人に「非常用持ち出し袋に子どもが安心できる品物を」などと発信した。

 川上部長 「子どもには分からない」ではなく、子どもだからこそ、情報提供が必要。子ども自身が消化できる表現で、今の状況を伝えて。「次に起きることを事前に知っておく」ことは大切で、気持ちの準備ができ、難しい問題を乗り越える力につながる。

 -佐賀県内では、子どもとのコミュニケーションに悩む大人の声も聞いた。

 川上部長 子どもの感情や反応を無理に聞き出すことはしないで。子どもが発信してきたら、聞くことに徹してほしい。

 しばらくすると、子どもによっては「災害ごっこ」のような、災害時を再現する遊びをするかもしれない。大人は驚くだろうが、止めないでほしい。子どもはその遊びを通して、心の傷の回復を図っている。見守り、頃合いを見て輪に入り「高台の方に逃げよう」などと、誘ってほしい。

 -1日は大雨で被災した家庭が片付けなどを安心してできるよう、大町町が開設する小学生を対象とした「子どもの居場所」に協力した。

 川上部長 子どもたち、もしくは子育て世帯への支援は優先順位が低くなりがちだが、割れたガラス戸でけがをするといった二次被害を防止する観点からも非常に重要だ。

 基礎自治体は避難所の運営などに追われる。岡山では、県が子どもの居場所づくりを行った。基礎自治体を広域的に支える仕組みを、対応マニュアルなどに盛り込む必要性も感じた。

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