家具など大量の災害ごみが運び込まれた=武雄市北方町の北方東運動場

 記録的豪雨で広範囲にわたって浸水した佐賀県武雄市や杵島郡大町町では、大量に出てくる災害ごみの集積場の確保に苦労している。ボランティアが入り復旧作業が進んだ週末は、次々にごみが運び込まれ、武雄市ではグラウンドなど2カ所が満杯になった。受け入れ場所が急きょ変更されるなど現場は混乱し、住民から困惑の声も上がる。

 武雄市は1日、杵藤クリーンセンター跡地の臨時集積場が満杯になったとして、直線で約8キロ離れた採石場跡地に場所を変更した。ただ、その情報は前日夜にウェブサイトで、当日朝に防災無線で広報したため、気付かない住民も多かった。

 センター跡の入り口で、場所変更を伝える立て看板を見ていた女性(59)は「きちんとチェックしなかったこちらのミスなんだけど…」。ため息をついて引き返していった。

 市は、これとは別に被害が大きかった北方町の住民向けの集積場を2カ所設けているが、1カ所が1日の午前中で満杯になり、場所を変更した。住民には直前に伝えられ、担当者は「土地が広く、周囲に民家が少ない場所を探すのに苦労している」と話す。

 2016年の熊本地震や17年の九州北部豪雨を受け、市は本年度、災害ごみの集積場を事前に選定する作業に着手した。しかし、候補地を探している段階で今回の豪雨に襲われ、備えは間に合わなかった。

 大町町も最初の集積場が満杯になって町民グラウンドに変更され、1日は多い時で50台以上の車列ができた。搬入されたごみは「粗大ごみ」「家電製品」「畳」などに分類され、うずたかく積まれた。この週末で目立って増えたのは家具類で、大型トラックが数軒分をまとめて次々に持ち込んだ。世代を継いで大事に使われていたような家具も、重機でつぶされていた。

 佐賀鉄工所から流出した油を含んでいるごみも多く、グラウンドを保護するブルーシートが敷かれた。「冷蔵庫や洗濯機はぬるぬるして運びにくい」と作業者。油を含んだごみを今後どう処理するかは、何も決まっていないという。

 町内には、油の除去作業で使用された吸着マットが、道路脇や住宅周辺に積まれて点在している。町によると、これらのごみはすべて佐賀鉄工所が引き取ることになった。産業廃棄物として処分するという。

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