新学期が近づくと、精神的に追い詰められる子どもたちがいる。学校に行くことがつらいのだ。そんな子どもたちは助けを求める代わりにわずかなSOSサインを出す。この見えにくいSOSにいかに気づくか◆さらに言えば、SOSさえ出せない子どももいる。そこで学校現場ではSOSを出せる環境づくりに取り組んでいる。「悩みを話していいんだよ」。そうした関係をつくるには、友達に相談するような「安心して話せる大人」が必要だ◆政府の2019年版自殺対策白書によると、自殺者の総数は9年連続で減っているが、19歳以下では前年より32人増え599人だった。最も多かった原因・動機は「学校問題」。過去40年の日付別では夏休み明けの9月1日をピークに、その前後で子どもの自殺が集中している◆大事なのは「命の大切さ」を教えるといった道徳論ではないと専門家は指摘する。なぜなら、自殺リスクの高い子どもは周囲から自分の存在を否定されてきたからだ。「命が大切なら、なぜこんな目に遭うのか」と心を閉ざしてしまう◆死にたくなるほどつらい学校。それならば無理して行かなくていい。自宅にいることを否定せず、つらい気持ちを正直に話してくれた時は「よく話してくれたね」というねぎらいの気持ちが大切だ。それが向き合うということではないか。(丸)

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