「数十年に一度」という豪雨のなんと多いことか。大雨特別警報の運用が始まったのは2013年。それから毎年のように出され、佐賀県も昨年に続き2度目で警報への感覚が麻痺まひしそうだ◆各地で1時間の雨量が110ミリから120ミリ以上に達した。どんな水準の雨なのか。気象庁の基準では30ミリ以上50ミリ未満が、よく言われる「バケツをひっくり返したような雨」、50ミリ以上80ミリ未満が「滝のような雨」とある。今回はこれをはるかに上回り、降り続く雨に恐怖を感じたのも無理はない◆思い出すのは1990(平成2)年7月の豪雨。佐賀市の中心部が川のようになり、ズボンの裾を膝まで上げて出勤する人が大勢いた。今回と同様、低地で行き場を失った雨水が市街地にあふれる「内水氾濫」で家屋の浸水被害が続出した◆当時と比べ観測網や警報システムはずいぶん整ったといえるが、温暖化による影響で危険度は新たな段階に入ったのか。秋雨前線という言葉のおとなしいイメージとは違い、大雨を降らせる線状降水帯が次々に発生した。予測は難しいとの専門家の指摘もあり、気がかりだ◆災害というキーワードで語られた平成。惨禍は令和に入っても続く。避難指示が出ても思うように動けないお年寄りも多かったに違いない。土砂災害も心配だ。命を守る備えに知恵を絞りたい。(丸)

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