川に浮いた重油を取り除く佐賀鉄工所の従業員ら=杵島郡大町町福母

 大雨による冠水の影響で佐賀県杵島郡大町町の佐賀鉄工所大町工場から大量の油が流出した問題で29日、従業員や消防団員らは吸着マットを使った除去作業を懸命に続けた。六角川の河口近くの有明海では国土交通省が、油膜が広がっているのをヘリコプターで確認、鉄工所の油が流れ出た可能性もあり、フェンスを設置するなどの対策を講じた。

 工場は六角川河口の上流約20キロの場所にある。佐賀県によると、最大で約8万リットルとしていた流出量は約5万リットルとみられるという。

 工場の従業員ら約200人は工場内外で油の除去や清掃作業に追われた。町内では海上自衛隊佐世保警備隊も、冠水した地域を船で回りながら吸着マットで油を吸い取った。

 状況を取りまとめている佐賀鉄工所本部(神奈川県藤沢市)によると、流出したのは、ボルトを製造する工程の「焼き入れ」の際に使う不燃性の油だった。工場では主に自動車向けのボルトを製造しており、その焼き入れの際に使用する油槽に水が流入し、油があふれ出たとみている。

 油が流出したことについては「住民の皆さんに迷惑をかけて申し訳ない。約30年前にも同様の事故があり対策を講じてきたが、想定をはるかに超える雨だったと思っている」と話す。その上で「まずは油の除去が最優先。管理体制を含めて今後、原因を検証していきたい」としている。

 大町工場は主に大手自動車メーカーのホンダや日産自動車などにボルトを供給しており、各社には「同じ設備がある佐賀工場や多久工場などと調整しながら補完していく」と報告したという。

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