28日未明から佐賀県内を襲った記録的な大雨は、干満差が大きい有明海に面した平野部で深刻な浸水被害を引き起こした。勾配が緩くて「低平地」と呼ばれる佐賀平野や白石平野は、地形的に大雨になった場合の水害のリスクが高い。雨のピークが早朝の満潮時と重なって水はけが一層悪くなり、河川や水路の水があふれる状況が続いた。

 有明海の満潮時は、海面が陸上の低平地よりも高くなり、潮が満ちるにつれて六角川などは上流へ逆流する。川の水位が一定の高さを超えると、支流との合流部の水門を閉めて水が流れ込むのを防ぐ。そのため、堤防の内側の中小河川や用水路などは水がたまりやすい状態となる。

 河川の水が堤防からあふれたり決壊したりして生じるのが「外水氾濫」であるのに対し、平野部の水がはけなくなって起きるのは「内水氾濫」と呼ばれる。今回の雨により低平地は一部で堤防の越水はあったが、内水氾濫が中心だった。

 国土交通省武雄河川事務所は、浸水が生じやすい地域性や雨の降り方、潮汐の状況などを挙げ、「複合的な要因が重なって被害が拡大したとみられる」と指摘する。

 低平地に詳しい大串浩一郎佐賀大学教授(河川工学)は「観測史上最大となる記録的な雨が降り、満潮とも重なったために広範囲にわたって深刻な被害が生じた。堤防の復旧や点検を急ぐとともに、今後の雨に注意して自ら身を守る意識を持つ必要がある」と話す。

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