雨水が店内に流れ込み、水のかき出しに追われるコンビニエンスストア=28日正午ごろ、佐賀市成章町のセブンイレブン成章町店

閉店の張り紙を出すも次々に客が来店し、弁当の棚が品薄になったコンビニエンスストア=28日正午ごろ、佐賀市成章町のセブンイレブン成章町店

 28日未明からの大雨で、佐賀県内の大型店やコンビニエンスストアが臨時休業し、冠水などによる通行止めで道路網が寸断されて郵便物や宅配便も配達ができなくなり、県民生活に大きな影響が出た。佐賀市内などでは立ち往生する車が相次ぎ、JAF佐賀支部はレッカー車の救援要請への対応に追われた。

 佐賀市の佐賀玉屋は1階フロアが浸水し、臨時休業した。「地下にも滝のように水が流れ込んでいる」といい、商品を上層階に移した。スーパーモリナガも牛津店、白石店を臨時休業し、浸水した牛津店は「復旧の見通しがたたない状況」。被害が大きい武雄市、江北町、大町町のスーパーや大型店は開店時間を遅らせるなどしたが、「運送は全て止まっている状態」という店もあり、29日以降も影響が続きそうだ。

 佐賀市内のコンビニエンスストアは、朝から臨時閉店も多く、同市セブンイレブン成章町店では、閉店の張り紙をしていても客が次々に訪れ、パンや弁当の棚は正午ごろにはほとんどの商品が姿を消した。市内で4店舗を経営する伊東宏店長(53)は「午前5時半ごろから店内が浸水し、漏電で冷蔵庫、冷凍庫が止まった店もある」といい、午後も水のかき出しに追われた。商品を積んだトラックは昼は来ず、「夕方の便が届くかどうか。こんな状況は平成3(1991)年の台風19号以来」。

 JAF佐賀支部によると、午前9時50分までに県内で192件の救援要請があった。「水たまりなどで車が動かなくなった」という内容で、大半が佐賀市内からのSOSだった。雨が小康状態になった午後も要請は続き、福岡、長崎県から応援を受けてレッカー車約20台がフル稼働した。

 佐賀タクシー(佐賀市)によると、28日は早朝から客からの問い合わせが「ひっきりなし」。しかし、車庫の浸水に加え、運転手が通常の3分の1ほどしか出社できず、全てには対応できなかった。空港までの交通手段がないという声も多く、「皆さん困っているのは分かるけど…」と疲れをにじませた。

 佐賀市の佐賀中央、佐賀北をはじめ県内全域の特定郵便局は午前中から窓口を閉めた。普通郵便も配達できず、速達や日付指定のみ、限られた人員で配達した。「普通郵便は29日から配達再開を予定しているが、天候次第」と担当者。ヤマト運輸も県内全域で配達、集荷をストップし、佐川急便は一部地域で営業を見合わせるなどして配達に遅れが生じているという。

 佐賀銀行は北方支店(武雄市)と大町出張所(杵島郡大町町)を終日休業したほか、武雄市や小城市などで一部のATMが利用できない状態になった。

 九州電力によると、佐賀市、武雄市、小城市などで雷や倒木、土砂災害による停電が発生し、27、28の両日で約320戸が最大15時間停電した。

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