佐野常民記念館に整備する三重津海軍所跡屋内展示室のイメージ図(佐賀市提供)

 佐賀県佐賀市は26日、川副町の佐野常民記念館に整備する三重津海軍所跡の屋内展示室(ガイダンス施設)の概要を明らかにした。ユネスコの世界文化遺産に登録されながら地中にあって見えないだけに、ドライドック乾船渠(かんせんきょ)の原寸大模型を設け、船が入ってくる動画を流すなど視覚的に伝える工夫を凝らす。9月2日に開会予定の定例議会に関連予算案を提出し、2021年9月のオープンを目指す。

 三重津世界遺産課によると、鉄骨3階建ての記念館を大幅に改装する。1階の一部を増築するなどして、延べ床面積はこれまでより300平方メートル広げて約2500平方メートルにする予定。総工費は約9億9千万円で、20年度に着工する。

 1階では、8県の23施設で構成する「明治日本の産業革命遺産」や、三重津海軍所跡を紹介する。ドライドックの模型は高さ3メートル、横幅8メートル、奥行き7メートルで、これに蒸気船が近づいてくる動画を映す大型スクリーンを設置する。佐賀藩が建造した日本初の実用蒸気船「凌風丸」、オランダから購入した「電流丸」の40分の1模型も配置する。増築棟(約150平方メートル)は50人が座れる映像ホール、企画展示場にする。

 中2階は、佐賀藩が進めてきた近代化事業、2階は佐野常民や日本赤十字社を説明するパネルなどを展示する。3階は遺跡の全容を眺めることができる展望テラスで、関連資料をそろえたライブラリーも設ける。

 佐野常民記念館は旧佐賀郡川副町時代の2004年に開館した。14年にインフォメーションコーナーを3階に設けたが、大規模な改装は初めて。三重津世界遺産課の担当者は「ドックの模型を精巧にするのはもちろん、海軍所跡のスケール感が伝わる展示内容にしたい。上映する動画の内容などを今後、細かく検討する」と話す。

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