シンポでは、30年前の吉野ケ里遺跡の報道に携わった当時の記者たちが語り合った=佐賀市の県立美術館ホール

 国内最大級の弥生時代の環濠(かんごう)集落跡の発見(1989年)から30年が経過した吉野ケ里遺跡(神埼市郡)の報道を振り返るシンポジウムが24日、佐賀市の県立美術館ホールで開かれた。発見当時、取材に当たった記者らが「邪馬台国時代のクニ」と大々的に報じて火がつき、継続的な報道で吉野ケ里フィーバーが起こって保存につながったことなどを伝えた。

 発掘調査員として当時、会見を行った七田忠昭氏(佐賀城本丸歴史館長)が基調講演した。各社のスクープ合戦について「情熱的な記事が人々の心を動かした。保存についても問題提起し、工業団地開発の中止、歴史公園化へとつながった」と解説した。

 シンポでは、佐賀新聞や全国紙、ブロック紙、テレビ局の記者として取材に携わった7人が登壇。「北方女性連続殺人事件の取材が終わった深夜、吉野ケ里に戻って働いた」「一から専門家に話を聞き、他社が来ない週末に現場を回り、1面を飾るネタをものにした」と裏話を披露。佐賀新聞客員論説委員の寺崎宗俊氏は「いろんな奇跡で保存につながった遺跡。研究、展示の拠点となる博物館を早く現地に整備して」とまとめた。

 シンポは県立博物館が遺跡報道30周年を記念し、来年1月に開く「史跡指定30周年記念特別展」のプレイベントとして開催。約150人が聴講した。

 

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