「愚劣漢」(2015年、パネルに綿布と白亜地、アクリル絵具・油絵具)

「permutation」(2016年、パネルに綿布と白亜地、アクリル絵具・油絵具)

 画家・八頭司昂さん(29)=佐賀市=の個展が、大川市立清力美術館で開かれている。線が絡まりあって作られる画面は、具象と抽象が融合した不思議な印象。作風の原点となったドローイングをはじめ、学生時代の作品から近作まで約40点が並ぶ。

 作品とともにドローイング36点が並ぶ。八頭司さんはデッサンの制作をきっかけに、光や影を濃淡ではなく、線の密度に置き換えて表現する技法を編み出した。「permutation」は表情や細部の曖昧さを超え、女性像が浮かびあがる。裏打ちされたデッサン力を感じさせ、新たな絵画の形を探っている。

 「愚劣漢」は、撮影会がモチーフ。色面が溶け合い、一つのかたまりのように見えるカメラマンたち。その姿を一歩引いた視点からとらえ、まわりが見えずに没頭する滑稽さを浮き彫りにした。「或日」は、一筆書きのように渦巻いた線描で、少年のような像が表れる。

 八頭司さんは愛知生まれ。佐賀大で小木曽誠准教授の下で油絵を学び、大学院を卒業。2013年に田川市美術館の「英展」で大賞を受けた。八頭司さんは「絵画の表現はやり尽くされたと言われる。その中で新たな側面を出したい」と語る。

 ▼大川市立清力美術館=電話0944(86)6700=で、9月1日まで。一般200円。障害者手帳のある人、中学生以下は無料。

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