電気自動車の可能性について語る日産自動車の小塚功子日本EV事業部長=佐賀市の日産サティオ佐賀

 日産自動車の電気自動車「リーフ」に携わる同社日本EV事業部長・小塚功子(こづかかつこ)氏が佐賀新聞社の取材に応じ、電気自動車の現状と課題、災害時の利用価値や今後の可能性について語った。

 初代リーフは2010年に発売され、現在2代目。「発売時は電気自動車の市場自体がなかった。車の価値を伝えると同時に、充電スポットなど社会インフラをセットで整えていく必要があった」と振り返る。

 国内の充電スポットは急速充電器だけで7700台、普通充電器を合わせると3万基を超える。電気自動車先進国のノルウェーよりも充電がしやすい環境にあるが、「どこにあるか分からない」「混んでる」など利用者の評価は低い。「数を増やすことよりも、認知度を上げたり、使い方を工夫したりして課題を解消していきたい」と話す。

 電気自動車の普及は地域差がある。北海道は、冬に長距離を走る際、暖房に電池が耐えられるかなどの不安もあり、苦戦していた。しかし、2代目リーフの電池容量が増えたのに加え、昨年9月の北海道地震を機に販売台数が伸びてきた。

 電気自動車は、蓄電池から家に電気を戻すことができる。このため、町全域が停電時、電気自動車を持つ家庭には電気が灯(とも)り、近所に携帯電話の充電を提供した例もあった。このことが広く知られ、「車以外の価値を含めたところで、見方が変わったのだと思う」と小塚氏。

 九州運輸局の調査によると、佐賀県内の電気自動車保有台数は今年6月末で1284台。17年6月末は864台、18年6月末は1070台と毎年約200台ずつ増えている。

 佐賀は住宅用太陽光発電の普及率が全国一という土地柄を挙げ、「太陽光による余剰発電分をリーフにためて家庭用に有効活用し、電気の地産地消を進めては」と提案する。

 電気自動車は、古くなって車としては使われなくなった後も、蓄電池の価値は残る。小塚氏は「電気自動車自体は軽自動車などバリエーションが増えていくが、車じゃない部分の価値をどう有効活用していくかを強く意識している。電力会社など周りと協力し、日本全体が少しずつ変わっていければいいと考えている」と語る。

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