元気に綱を引く住民たち=多久市北多久町の岸川地区

綱引きの合間に、地域に伝わる民謡を歌う女性たち=多久市北多久町の岸川地区

 多久市北多久町の山あいにある岸川地区で16日夜、2年に1度の盆綱引きがあった。住民たちが男女や集落別に分かれ、わらやかずらで練った大綱を元気に引いた。

 無病息災などを祈る市内で唯一の盆綱引き行事で、400年以上の歴史がある。台風10号の影響で1日遅れての開催になったが、老若男女約100人が集まり、直径30センチ、長さ30メートルの綱を囲んだ。対戦の合間には、女性たちが地区に伝わる民謡を歌って場を盛り上げた。

 豊臣秀吉が朝鮮出兵で名護屋(唐津市鎮西町)に出陣する際、一行を元気付けるために住民総出で綱引きをしたのが起源とされる。唐津街道沿いの各地で開かれ、近隣住民も加わって熱狂したが、太平洋戦争への若者の動員、都市部への人口流出で取りやめる地区が相次いだ。岸川地区は20年ほど前から隔年開催に変更して、息長く続けている。

 岸川地区の人口は約200人。この50年ほどで3分の1になり、わらの調達も難しくなっている。田中榮(さかえ)区長(73)は「綱引きを楽しみに帰省する人もいる。伝統をどう守るか、みんなで知恵を出していきたい」と話した。

このエントリーをはてなブックマークに追加