幼いころ、母親に呼ばれて振り向くと「眉にしわを寄せない!」と、ことあるごとに注意された。本紙「手鏡」欄に以前、小城市の村山妙子さんがそんな思い出を寄せていた。「女は怒った顔を人に見せないように」。ある世代の女性なら、こう口酸っぱく言われて育った記憶をお持ちかもしれない◆「笑顔で努力すれば結果に出る」。ゴルフの全英女子オープンを制し、凱がい旋せんした渋野日向子選手のコメントは胸に残った。下部ツアーで苦戦していた昨年は感情を表に出してはスコアを落とした。そんな時、母親のアドバイスは「いつも笑顔でいなさい」だったという◆〈ほほえむことができぬから/犬は尾をふり――だが人は/ほほえむことができるのに/時としてほほえみを忘れ〉。谷川俊太郎さんの詩「ほほえみ」にこんな一節がある◆輸出規制や歴史問題を巡る日韓の対立、移民への憎悪をむき出しにした米国の銃乱射、アニメ会社への放火と、それを模倣したような展覧会への脅迫…胸ふさぐニュースが続く。「世界でも笑顔は共通なんだ」という20歳のシンデレラの言葉をかみしめてみる◆きょうは「立秋」。暦の上ではもう秋、などと書いたところで、この気候ではしっくりこない。8と8が並んだ「笑いの日」でもある。ハハハ。泣きたい時こそ笑え―これもシンデレラに教わった。(桑)

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