合唱部門が終わり、別れを惜しむ佐賀県の高校生(左)と来年の開催県・高知の生徒たち=1日、鳥栖市民文化会館

 高校文化部の祭典、第43回全国高校総合文化祭(2019さが総文)が、6日間の全日程を終え、1日に閉幕した。全国から文化系部活動に情熱を注ぐ約2万人の生徒が集まり、2007年の青春佐賀総体以来の一大イベントとなったが、見応えのある発表が続き、生徒同士の交流の輪も広がった。県内に吹き込んだ爽やかな「文化の風」を中高生らの成長や地域づくりにつなげていきたい。

 「有田焼や唐津くんちなど伝統文化が今も人々の暮らしに息づく佐賀の地で開催されることを、大変うれしく思います」-。7月27日の総合開会式で皇嗣(こうし)秋篠宮さまは、大会成功への思いも込めてこう述べられた。初日はマーチングの生徒ら約1800人が佐賀市中心部を歩くパレードもあり、華やいだ雰囲気の中で総文祭は幕を開けた。

 佐賀新聞社は期間中、学芸担当や支社局の記者が中心となり、全23部門を取材したが、どの会場も「いま、この一瞬に懸けたい」という高校生の熱気であふれた。

 全国約2100校から勝ち上がった12校が日本一を懸けた演劇部門には、3日間で延べ約3500人が来場。約400点の作品が並んだ美術・工芸部門の会場は、技術やアイデアを学びたいという中高生らでごった返した。

 舞台発表、作品展示と形は違っても、そのレベルの高さに驚きの声が上がった。

 県や生徒実行委員会は「交流」と「おもてなし」を大会テーマに掲げ、2年前から準備に本腰を入れてきたが、こちらも十分な成果があった。新聞部門などでは県内外の生徒が協力して作品づくりに励み、その他の部門でも握手を交わして再会を約束する姿が多く見られた。県外の生徒からは「佐賀の人は温かい」「また来たい」といった声が聞かれた。佐賀らしさを出すという目標も、達成できたと言っていいだろう。

 近年、オリンピックなどの後に「大会のレガシー(精神的・物理的遺産)を引き継ぐ」といった言葉がよく用いられる。さが総文に関していえば、県内に吹き込んだ文化の風を糧とし、中高生らのこれからの成長にどう生かしていくかということだろう。

 総文祭の各部門に参加したり、観覧に訪れたりした生徒たちは、全国の仲間のレベルの高さを肌で感じたに違いない。「自分たちも、もっと上へ」という思いが芽生えたとしたら、それは将来の進路などを考える上でも有意義なことである。こうした若者のやる気が、地域の元気にもつながっていく。

 2023年には国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会佐賀大会も控える。外からの刺激、競い合いが人を大きく成長させる。中高生らは今回の感動も胸に、自分の道を歩んでほしい。(杉原孝幸)

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