馬場理事長と建立された石碑=佐賀市川副町大詫間

 佐賀市川副町の大詫間土地改良区(馬場正幸理事長)は、農業用水開通の記念碑を地元に建立した。早津江川からのアオ(淡水)取水と雨水しかなく、干ばつに長年苦しんできたが、筑後川下流の用水などの事業で塩分を含まない水を確保できるようになったと紹介。事業完了から20年以上経過しているが、農業振興への貢献を改めて評価し、後世に伝える。

 有明海は干満の差が日本一大きく、干潮時に海へ流れ出た淡水は、満潮になると比重の重い海水の上に乗って川に逆流してくる。水に恵まれない筑後川下流の平野では、この淡水を水田に入れて米作りをしてきた。大詫間地区は400年にわたり50回以上の干拓を行い、475ヘクタールの農地がある。

 記念碑は高さ1・5メートル、幅80センチの御影石製で、文章部分はステンレス製。大詫間の県道140号沿いに建つ。碑文では、大正期の揚水機場新設など農業の近代化を進めてきた歴史を紹介している。1979年に県営ほ場整備事業が完了したが、干ばつに何度も見舞われ、94年に甚大な被害が出たことを指摘。96年に筑後大堰(おおぜき)上流から取水しての試験通水が始まり、真水が佐賀東部導水路-神埼市分水地点-大詫間幹線水路に送られ、干ばつの不安が解消された点を強調している。

 約200人の生産者が恩恵を受けており、馬場理事長は「(今年のような)水不足の年には改めてありがたさを感じる」とした上で、「アオ取水は有明海の干満に合わせた管理が必要で、その作業から解放された点も大きい。画期的だった事業を住民、次世代に伝えたい」と力強く語った。

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