「危険木」として赤いビニールテープが巻かれた伐採対象のマツの木=唐津市の虹の松原

 唐津市の国特別名勝「虹の松原」を通る県道で折れたマツが軽乗用車と衝突し、同乗していた小学5年男児が死亡した事故を受け、県道を管理する県唐津土木事務所は、倒木の恐れなどがある沿道のマツ254本を伐採する方針を決め、文化財保護法に基づく伐採許可を唐津市教育委員会に申請したことが30日分かった。市教委は「法律上、止めることはできない」とし、近く許可の意向を伝える。

 20日夜の事故後、県は緊急措置として「危険木」29本を既に伐採。申請が許可されれば283本となる。安全対策の必要性の一方、かつてない規模の伐採に反対する市民の声があり、関係機関の判断が注目されていた。

 同土木事務所によると、伐採の対象となるマツは林野庁佐賀森林管理署など関係機関との合同点検で、道側にはみ出すなど通行の妨げになる懸念がある、木の状態が悪く倒木の恐れがある、などのマツを伐採候補にリストアップした。同管理署の同意を得て29日、市教委に文化財の現状変更の許可を申請した。

 国道から県道となった2002年から同事務所が、道側にせり出したマツの枝を毎年数本程度、伐採しているが、幹ごと伐採するのは今回が初めてという。事故後、一部区間を通行止めにしていたが、現在は制限速度を30キロにするなど条件付きで規制を解除しており、「条件なしで通れるようにするには、そう(伐採)せざるを得ない」という。

 虹の松原の樹木伐採は国からの権限移譲を受け、文化財保護法に基づき市教育委員会の許可が必要。担当する市生涯学習文化財課は「本数が多いこともあり、市が独自に判断していいのか、県文化財保護室や文化庁に確認を取った」とした上で、「市として危険木ではないとは言えず、管理者や所有者の判断を覆して許可を出さないという選択はない」とし、近日中に許可する意向を明らかにした。

 

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