辛抱―。それは「おしん」の代名詞である。NHKが「連続テレビ小説」の100作目を記念してBSで「おしん」全話を再放送している。七転び八起きの展開に、朝からハラハラしている人も多いのではないか◆1983(昭和58)年4月から1年間放送された。最高視聴率62・9%、平均視聴率52・6%。この年に横綱に昇進した隆の里は、苦労続きの歩みから「おしん横綱」と呼ばれた。貧困の中をけなげに生きるおしん宛てに米がNHKに送られたというエピソードには驚かされる◆アンコール放送の舞台はもうすぐ佐賀。姑(しゅうとめ)の執拗(しつよう)な嫁いびりで県民から「嫁のきてがなくなる」などと抗議が殺到した騒動が思い出される。そこで姑役の女優が来佐して講演し「おしんを一人前にしようとした厳しさ」と理解を求め、収束した◆幾多の困難を乗り越えて成長していく女性の一代記。名作だった6作目「おはなはん」と同様、「おしん」はいわば朝ドラの王道だ。これまで何度か再放送されているが、「令和」の時代に届けるメッセージはどんなものだろうか◆ネット上では「おしん働き者! おっし、私も」と共感する若者らしき書き込みが。一度レールを外れると元に戻ることが難しい時代。〈どん底に落ちたって、また頑張ればいい〉。おしんの台詞(せりふ)に思わずうなずくこのごろである。(丸)

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