飯塚事件の再審請求審での経緯を語る徳田靖之弁護士=佐賀市の県弁護士会館

 死刑が執行されながら無罪を求めて再審請求中の実在の殺人事件を題材に「えん罪」について考えるシンポジウムが27日、佐賀市の県弁護士会館であった。事件を担当した弁護士や再審請求事件でDNA鑑定に携わった大学教授らが登壇、捜査手法や裁判での証拠採用の問題点などを論じた。

 取り上げたのは、1992年、福岡県内で女児2人が殺害された「飯塚事件」。殺人などの罪で逮捕された当時50代の男性は、容疑を否認したまま2008年に死刑が執行された。遺族が再審請求したが、福岡地裁、高裁で棄却され、現在最高裁に特別抗告中。

 講演では、事件を担当した徳田靖之弁護士が再審の現状を説明。国内で前例がない死刑執行後の再審請求に「無罪となれば、死刑制度そのものがなぜ許されるのかという疑問が国に突きつけられる」と強調した。

 法医学が専門の本田克也筑波大教授は、飯塚事件のDNA鑑定について「血液型判定の写真がなかったり、鑑定のネガを部分的にカットし意図的に調整している」と指摘。「法医学者のほとんどが検察支持の立場」とし、裁判官が証拠の客観性を見抜く重要性を訴えた。

 シンポジウムは、10月に徳島市で開催される日本弁護士連合会主催の人権擁護大会のプレイベントとして県弁護士会が企画。県内の若手弁護士や市民ら約70人が参加した。

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