自治体庁舎の敷地内に設けられている屋外喫煙所=武雄市

 多くの人が利用する施設での喫煙を規制する改正健康増進法が今月から一部施行され、学校や病院、行政機関などの敷地内が原則禁煙になった。受動喫煙対策を強化した形だが、例外規定もあり、全面禁煙になっていない施設も多い。佐賀県内の多くの自治体の庁舎にも例外規定で喫煙所が残っている。健康被害をなくすため、法の趣旨に沿う対応が必要だ。

 改正法は受動喫煙の影響が大きい未成年者、病気の人、妊婦らが利用する学校、病院、行政機関、児童福祉施設の敷地内を原則として禁煙とすることを義務付けた。ただ、間仕切りなどで明確に区分していれば、屋外に喫煙所を設置できる例外規定もある。

 共同通信の調査によると、中央省庁や都道府県の本庁舎のうち敷地内を全て禁煙にしたのは、既に実施していた府県を含めて2省、10都府県にとどまっている。多くは屋内の喫煙所を廃止する一方、既設の屋外喫煙所を継続使用したり、新設したりしている。

 大規模な大学を対象にした別の調査では、全面禁煙に移行した学校は少数で、多くの大学が既設の屋外喫煙所を存続させることを選んだ。一方、幼稚園や小中高校、病院は、以前から敷地内を全面禁煙にしているところが多い。

 佐賀県内の状況は、県庁は敷地内全面禁煙にしたが、県内10市は全てが屋外喫煙所を設けている。「これまでより数を減らした」「より通行者が少ない場所に移動した」など改善面もあるが、「来庁者に喫煙者もいる」などの理由で敷地内全面禁煙には至っていない。喫煙所設置については、厚生労働省と人事院が「推奨しない」とする通知を出している。通知に沿う対応をすべきだろう。全国には国より厳しい規制を導入しようと検討している自治体もある。

 改正法は来年4月に全面施行され、飲食店や職場、公共交通機関などが原則として屋内禁煙となる。ただ、ここにも例外規定がある。喫煙専用室を設置できる上に、客席面積100平方メートル以下などの飲食店は当面の経過措置として喫煙を認めている。

 厚労省の試算では、喫煙専用室を設けなくてもたばこが吸える飲食店は全体の55%に上る。原則より例外の方が多いというおかしなことになる。法施行の意味が随分薄れてしまわないか。改正法の全面施行に満足せず、例外になる飲食店の範囲縮小など、できるだけ早く規制を強化すべきだ。

 世界保健機関(WHO)によると、公共の場所全てを屋内全面禁煙としている国は2017年時点で55カ国ある。受動喫煙対策は世界のすう勢だ。日本もさらに対策を進めるべきだろう。(小野靖久)

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