高校生の妊娠を扱う舞台で、難しい役柄を好演した佐賀東演劇部3年の江頭歩穂さん(画面中央手前)=鳥栖市民文化会館

 演劇部門は、全国のブロック予選を勝ち抜いた代表校の上演が鳥栖市民文化会館で始まり、全国から訪れた演劇ファンが早朝から長い行列をつくった。初日の登場となった佐賀県代表の佐賀東は「君がはじめて泣いた日も、世界は普通の顔をした。」(いやどみ☆こ~せい・佐賀東演劇部創作)を発表。高校生が命の尊さを訴える内容で、3年の江頭歩穂さんが難しい役柄を熱演した。

 作品は“高校生の妊娠”を扱う。主人公が未来に立ち向かうべく出産を選択する一方、江頭さんは、人工妊娠中絶を選んだ悲しい過去を持つ後輩を演じた。

 佐賀東が代表の座を射止めたのは昨年11月。当時、先輩が演じていた役を引き継いだが、「私にできるだろうか。不安、プレッシャーがあった」と江頭さん。舞台では、さみしさや悔しさ、人間臭さを細やかに演じ分け、主人公と対をなして物語を鮮やかに浮かび上がらせた。

 江頭さんは「客席にも流産や中絶を経験した人がいるかもしれない」と思いやり、「抱えていた気持ちが、少しでも軽くなればと祈りながら演じた」と語った。

 観劇した福島・ふたば未来学園2年の星萌々子さんは「考えさせられる舞台だった。自分は生まれただけでも幸せだと感じた」とかみしめていた。

 演劇部門は29日まで。全国2100校からブロック大会を勝ち抜いた12校が出場し、最優秀校1校と優秀校3校が選ばれる。

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