諫早湾干拓事業の開門問題を巡る請求異議訴訟の上告審弁論が26日、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)で開かれる。弁論の後日に言い渡す判決では、開門命令の確定判決を事実上無効化した福岡高裁の判断を見直すことも想定され、開門しない判断が続く司法の流れに影響を与える可能性がある。

 上告審弁論は二審の結論を変更するのに必要な手続きだが、二審判決を維持する場合もある。今回は確定判決の効力だけを争点に示し、弁論で国と漁業者の双方から意見を聞く。最高裁は他の上告に関する理由は全て退けている。

 漁業者が開門を訴えた訴訟で2010年12月、3年以内に開門を命じる福岡高裁判決が確定した。少なくとも13年12月まで開門請求権が継続していることになるが、請求異議訴訟の二審判決は13年8月に開門請求権が消滅したとの判断を示した。漁業者側は上告申し立て理由書の中でこの矛盾点を示して「(高裁判決は)民事訴訟法の解釈、適用を誤っている」と主張していた。

 弁論が終了した後、最高裁は判決期日を指定する見通し。判決では、国の請求を認めた二審福岡高裁判決を破棄し、審理を差し戻すケースが考えられる。高裁判決は漁業権だけについて判断を示していたが、国に開門できない事情があるかどうかなど他の争点について再び高裁で審理することになり、和解協議が設けられる可能性も出てくる。

 最高裁判決で漁業者側の上告を棄却した場合は、国が開門を強制されないとする判決が確定し、開門命令の確定判決は事実上無効化する。漁業者側が求める開門することを含めた関係者間の和解協議の実施は司法では極めて困難になる。

 
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