再選を果たし、佐賀新聞のインタビューに応じた山下雄平氏=佐賀市の佐賀新聞社

再選を果たし、インタビューに応じた山下雄平氏=佐賀市の佐賀新聞社

 参院選佐賀選挙区は自民党現職の山下雄平氏(39)が対立候補に約7万票差をつけて圧勝した。国策課題への向き合い方や改憲論議についての考えを聞いた。

 -投票率は45・25%で前回参院選を11・44ポイント下回った。山下さんの得票率は61・65%で、初当選時より3・93ポイント低下した。

 大雨の影響があったとはいえ、いずれも低かったことを反省している。全面的な信任ではないと謙虚に受け止めた。前哨戦で佐賀県内を回ると、自民党や安倍首相への批判の声を聴いた。長期政権で政治を安定させたが、経済施策「アベノミクス」の波及効果が地方では限定的だからだろう。

 -県農政協議会から推薦を受けた。2015年の知事選では農政協と対立した自民の推薦候補の選対本部長を務め、「しこり」ができた。関係改善は進んだか。

 知事選を境に反発が広がったが、「違う道」を歩んだつもりはなかった。党本部農林部会で佐賀の農政のため仕事をしている。先輩議員や党本部に取りなしてもらい、私も懸命に農家を回った。

 推薦は非常にありがたく、いろんな会合に再び呼んでもらえるようになった。お叱りを受けて反省し、誤解を解く機会を頂けた。今回、もろ手を挙げての応援ではなかったことは理解している。今後の6年間が溝を埋めるチャンスだ。

 -環太平洋連携協定(TPP)、日欧の経済連携協定(EPA)、日米貿易交渉…。農業を取り巻く環境は厳しさを増す。

 交渉責任者の茂木敏充経済再生担当相が唐津の総決起大会で、「1次産業を守る交渉をする」と演説してくれた。佐賀農業の思いを託す機会をつくることができた。国会では、農業を経済成長の側面だけで捉えず、地域を守る家族農業を大切にするよう訴えてきた。安倍首相からは「規模の大小、経営形態にかかわらず後押しする」という答弁を引き出した。8月から議論される「食料・農業・農村基本計画」にどう盛り込まれるか。農業の事業承継とともに政策のメインテーマにする。

 -選挙では、「改憲勢力」が国会発議要件となる参院全議席の3分の2を割り込む結果になった。

 今回は一度も触れなかったが、6年前から憲法改正を主張している。例えば「1票の格差問題」。人口規模に合わせて合区を進めると、地方の議員はいなくなる。両院とも人口比例でやる必要があるのか。自衛隊や9条の問題も、数だけで押し通して改憲を迫るのは望ましくない。いろんな懸念を減らし、多くの人が納得する方法を探るべきだ。

 -九州新幹線長崎ルートに関しては。

 与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームから方針が示されておらず、選挙戦では発言を控えた。佐賀県との意見が対立するならば、どちらかに合わせるのは建設的ではない。溝があるならば調整役が必要と思う。(リレー方式、フル規格とも)一長一短がある。

 -佐賀空港へのオスプレイ配備計画は推進の立場を明確にしている。

 安全保障で必要な上、佐賀県の防災に役立つものだからだ。ただ、こうした「国家的な視点」は市民の誰もが理解できるものではない。県庁も苦心され、どうすればうまくいくか見通しは立たない。承服できない不安などを聞き、防衛省に伝える努力をしていく。

 -国営諫早湾干拓事業(長崎県)については「開門すべき」との考えで、政府の方針とは異なる。働き掛けをやっていくのか。

 司法での解決を待たずに有明海の環境をよくするのが最重要だ。方向づけ、事業の予算付けをしている。宇宙担当の政務官を経験しており、人工衛星から海洋の状況を観測し、赤潮を調べるプログラムを開発中だ。有明海と八代海が対象で、本年度に実用化すれば、少しはお役に立てる。

 -2期目の抱負を。

 10年前から、男性よりも女性の東京流出が増えた。佐賀に戻りたくなる環境づくりが急務で、地域社会で男女共同参画を進めたい。東京一極集中に歯止めをかけるため、東京23区の企業や人材が地方に移る際の税制優遇を深掘りしたい。東京の法人税を上げる手もある。子育て世代が政治について意見を交わす文化もつくっていければと思う。

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