大雨で、県内市町では投票所を設置した建物内に避難所を併設したところも。大雨が投票率に影響したとの声もある=21日正午過ぎ、三養基郡みやき町のみやき町庁舎防災センター

 「結果は見えていた」「興味を持てない」。21日投開票された参院選佐賀選挙区(改選数1)は投票率が45・25%にとどまり、前回を10ポイント以上下回って過去2番目に低い水準となった。投票しなかった有権者からは「安倍1強」に対する「1票」の無力感や政治への無関心などが垣間見え、大雨も影響を与えた。一方で「政治離れ」を危惧する声もあり、投票しやすい環境づくりなどを訴えた。

 選挙戦は終始自民優位で推移。武雄市の会社員男性(37)は「忙しかったし、今回は勝負が決まっている選挙だと思った」と投票を見送った。政治に関心を向けようとするが、「身近に感じる公約はみられず、国民感情を代弁してくれるような野党も少ない」と物足りなさを口にした。

 唐津市の30代の公務員男性は「選挙に興味がない」と今回も投票しなかった。かつては投票所に行っていたが、「(投票によって)生活環境が変化する気配もなく、興味が薄れていった」と吐露する。投票を心掛けてきた佐賀市の女子学生(21)は、天気を見て断念した。「ひどい雨の中、頑張って行くほどじゃない」。低投票率にも「特別何も思わない」と話す。

 「投票率向上に少しでも協力できれば」と、鳥栖市の菓子店水田屋の水田常夫社長(51)は投票した人を対象に割引をする「選挙割」に取り組み、SNS(会員制交流サイト)などで浸透して利用者が徐々に増えた。「投票せずに権利を放棄するのは本当にもったいない」と水田社長。「大型商業施設などに期日前投票所を開設すれば投票を促せる」と自治体に新たな取り組みを求める。

 佐賀大学の吉岡剛彦教授(法哲学)は「参院選の争点がはっきりせず、現政権の信任投票になってしまって投票所に行く動機付けになりにくかった。野党は頼りないと有権者が感じていることも投票率の伸び悩みに影響している」と分析する。政治団体「れいわ新選組」が2議席を獲得したことも挙げ、「メッセージが明確で、なりふり構わない覚悟も支持を集めたと思う」と指摘した。

 国政選挙で低投票率が続く状況に対し、「棄権すると良くも悪くも現状を肯定し、政治の結果を引き受けなければならなくなる。無力感はあっても、1票を投じることが政治に関心の目を向け、政治家との緊張関係を生むことにつながる」と強調した。

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