落選する見通しになり、支援者と握手し、感謝の言葉を述べる犬塚直史さん=21日午後8時39分、佐賀市神野東の事務所(撮影・山口源貴)

 出遅れが最後まで響いた。出馬表明から約1カ月半、野党統一候補で国民民主党元職の犬塚直史(ただし)さん(64)は、参院での実績を基に「即戦力」をアピールしたが、佐賀県内での知名度不足もあって、自民党現職の厚い壁に阻まれた。21日午後8時15分ごろ佐賀市の事務所に姿を見せた犬塚さんは、集まった約50人の支援者に「温かく迎え入れてもらい、チャンスを与えていただいたのに、全ては私の力不足」と頭を下げた。

 急ごしらえで、後援会長を置かないままの選挙だった。組織力が乏しい側面は、高い知名度を誇る原口一博、大串博志両衆院議員が党派を超えて補い、選挙カーに連日のように乗り込んでもり立てた。年金不安を引き起こした老後資金問題を「安倍長期政権のおごりや緩み」などと指弾し、「政権交代の流れを佐賀から」と訴えた。

 長崎や東京で衆参の選挙戦を経験し、国替えをして臨んだ一戦だった。支持者が駆け寄る先は序盤、随行していた原口氏、大串氏の方が多かった。それでも、演説の回数を重ねるごとに反応は変わり、手作りの横断幕を持参する支持者も現れた。「終盤は、いきなり政策の話をしても耳を傾けてもらえた」と振り返る。

 手応えを実感していただけに、敗戦の弁には悔しさがにじんだ。妻のエブリーヌさん(66)や娘の万里さん(28)が見守る中、「次の政権交代は佐賀から始まると確信している」と力を込めた。今後については「頭を冷やしてから」と明言を避けつつ、政治活動への意欲は示した。

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