島にすむ動物と大陸の動物は、体の大きさが違うという。ゾウのような大型のものは島では小さくなり、ウサギやネズミのような小動物は逆に大きくなる。生物学者の本川達雄さんによると、島では捕食される心配が少ないことが要因らしい◆ゾウが巨大なのはトラやライオンを圧倒するためで、ネズミが小さいのは見つかりにくく、すばやく身を隠せるからだとか。捕食者が少ない島では、そんな食べられる不安から解放され、無理のない体のサイズに戻るそうだ(「島の法則」)◆捕食者の存在によって体のサイズが変わる自然の摂理は、日本の政界にも当てはまるかもしれない。きのう投開票された参院選は与党が堅調に議席を伸ばした。この6年半、安倍政権の「1強政治」をより大きくしたのは、「強い野党」という捕食者の不在だろう◆年金問題をはじめ、暮らしに切実な争点はいくつもあったのに、雨のせいか投票率も振るわなかった。有権者の多くがそっぽを向いたまま、政治の「サイズ」が決まっていく◆ゾウが巨大であるためには〈それなりの代価を払わなければならぬ〉と本川さん。巨体を支える骨格系にはどうしても負担がかかる。だから骨折などしないよう一歩一歩、慎重に足を運んでいくのだ、と。改憲という悲願を掲げる安倍政権も、どうか無理なさいませんように。(桑)

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