鹿島鍋島藩の書物を見に訪れた国文学研究資料館の研究員ら=鹿島市古枝の祐徳博物館

 国文学研究資料館(東京)の研究員らが14日、鹿島市の祐徳博物館を訪れた。江戸初期から鹿島鍋島藩が集めてきた書物が現存する「中川文庫」を見学。研究員は「どんな勉強をしていたか、うかがい知ることができる蔵書は文化的な宝」と評した。

 中川文庫の蔵書目録を作成している佐賀大名誉教授の井上敏幸氏(76)が案内した。鹿島鍋島藩最後の藩主、直彬が訪米し、アメリカの政体を詳述した刊行物『米政撮要』を紹介。国外事情に精通していると岩倉具視が評価し、直彬は初代沖縄県令を任された。明君と称される直彬の人格形成に文庫が貢献した。

 蔵書には鹿島藩の日記などもあり、国文学資料館研究部の入口敦志さん(57)は「江戸時代の大名家が誰と連絡を取り、どんな勉強をしたか文化活動が分かってくる」と貴重な史料であることを強調した。

 同資料館は、20年以上にわたり中川文庫の書物を研究し、デジタル画像として収集、公開している。館長を務める日本文学研究者のロバート・キャンベル氏が九州大学文学部の研究生だった頃、鹿島市に通い、蔵書の調査に携わったつながりもある。

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