アニメーション業界では「19年クライシス(危機)」という懸念がささやかれている。今年から来年、劇場公開を控える大作がめじろ押しで、その制作量が現場の処理能力を超えるのではないかという危惧である◆2016年公開の「君の名は。」が興行収入250億円を超える大ヒットとなり、これに後押しされるように新作アニメの企画が相次いでいる側面があるという。日本動画協会によると、2008年に31本だった劇場アニメのタイトル数は2017年には84本に増加した◆そんな忙しい現場であったろうか。きのう京都市のアニメ制作会社「京都アニメーション」が放火され、多くの死者やけが人が出た。男が「液体をまいて火をつけた」と話しているという。背景にいったい何があったのか◆同社は、東京を拠点とする制作会社が多い中で京都からの文化発信にこだわり、丁寧な作画に定評があったそうだ。「けいおん!」や「響け!ユーフォニアム」など人気作品を生み出してきた。NHKの朝ドラ「なつぞら」で作画作業に励む主人公らの姿と重なってしまい、痛ましい限りだ◆中国では宮崎駿監督のアニメ映画「千と千尋の神隠し」が9千カ所の映画館で上映されるという。アニメは今や日本文化の代名詞。夢を生み出す世界を突然襲った卑劣な犯行に言葉が見つからない。(丸)

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