講演で、熊本地震の避難生活などを話す前田勝支部長=佐賀市水ケ江の佐賀メディカルセンター

 人工肛門や人工ぼうこうを設けた人(オストメイト)らが、災害時の備えについて考える講演会が13日、佐賀市で開かれた。2016年4月の熊本地震で被災した日本オストミー協会熊本県支部支部長の前田勝さん(77)が避難生活を振り返り、避難所にオストメイト対応のトイレや排せつ物を入れる装具を交換できる部屋を確保することなどを呼び掛けた。

 前田さんは地震発生時、益城町の自宅にいて「10分以上揺れ、船酔いしたような感覚になった」と状況を説明した。避難先で洋式トイレにいすや水を持ち込んで使用したり、自宅に戻って装具を交換したりするなど、不便だった点を紹介した。支部の会員の安否確認が難航した課題も指摘し「携帯電話やSNS(会員制交流サイト)も活用する必要がある」と述べた。

 オストメイトは外見から分かりづらく「避難先で周囲に理解してもらうように、見えにくい障害を表す『ヘルプマーク』を活用した方が望ましい」と助言した。オストメイトであることを周囲に知られたくない人も多い実情も挙げ「自らSOSを出す勇気がないと支援が行き届くのは難しい。行政や支援者もプライバシーへの配慮が重要になる」と強調した。

 講演会は、日本オストミー協会佐賀県支部が西日本豪雨から1年になるのに合わせて開催した。

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